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Romantic Phisics 2008.06.06 18:36
雨が降ったり、じめじめしたり、暑かったり、晴れていたり。
梅雨の昼間は空への憎しみしか感じない。
それでも夜になればまだまだ涼しく、部屋の窓を開けて座れば、裸足の足の下のさびしい道路や、地上のネオンに負けそうな星空が気分を浮き立たせる。そういえば、大好きな夏が近づいているのだ。
隣のぬくもりがふ、とため息をついた。
「もっと星が見えるところに行ってみたいなあ」
横顔は、空をぼんやりと見ている。こちらのことなど忘れたように。
「行こうか、一緒に」
少し悔しくて声をかけた。きょとんとした瞳と目を合わせて笑ってみせた。
「旅行とか」
照れるか喜ぶかと思ったが、どちらでもなかった。ぼんやりしたまま目線を上空へ戻す。
「うーん、それはいいや」
むっとした。自分で言い出したくせに。
「ねえ、あの、宇宙の暗い場所には何があると思う?」
やはりぼんやりと、独り言のように呟いたが、これは質問なのだろう。
「さあ。何もないんでしょ?」
投げやりに答えてやった。両足をゆらゆら揺らしたら、ぽつりと立っている街灯が残像を残しながら揺れた。
「本当はね」
隣の両足が動いて、身を乗り出したようだった。
「無数の星があるんだ。宇宙はずっと広がっていて、ほとんどの場所が本当は輝いている。光のない場所もあるけど」
「光のない場所には何もないの?」
「いや」
見上げたら目が合って、予想していなくてドキドキした。
「ブラックホールとか」
夜というものは真っ暗ではないのだ。暗い夜空にも星の光があるように。わずかな光をその目が反射して、自分を見ているのが分かる。
「ブラックホールの表面ではね、時間は永遠に続くんだ。だから世界一速い光でも、入ったら出てこられない。永遠に落ちているから」
その瞳に吸い込まれてしまう、と思ったとき、ふっと視線が逸らされた。
「だからね、ブラックホールは光がないんだ」
また横顔。唇を尖らせてみるけど、宇宙に心を吸い取られた人には届かない。
もしも一緒に、ブラックホールに吸い込まれたら。
君とずっと、見つめあったまま。
永遠に、一緒にいられるのに。



生粋の文系の先輩が、科学は深読みするとエロいと言いながら後輩と一緒に実験のテキストを読んで興奮していました。あー、うーん、科学用語のことかなあ?
あんまり短いのでブログに書いてみた。テーマは、恋愛物理学。いや、物理恋愛学?ノーマルカプでもヨコシマカプでも薔薇でも百合でもなんでも妄想してください。例えば宇宙ラバーなかまるとロマンチストかめなしとか、あ、別に中丸夢小説でもええよ。あとは不二先輩と菊丸とか、立夏と草灯とか、立夏とユイコとか、関西弁にしたらこうつよもいけるかもしれん。
思いついたら続くかも。
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